絶滅危惧種

先日ある知人から電話をもらい、いろいろと話しているうちにウミガメの話になりました。静岡県浜松の遠州灘海岸というところでは、5月になると南の海から絶滅危惧種のアカウミガメがやってきて産卵し、孵化すると黒潮に乗って南の海へ向かい、大人になるとまた産卵をしにこの浜辺に戻ってくるそうです。

知人は、その孵化したウミガメの子供を海に放つ活動をボランティアでやっているのですが、天敵も多い大海に子亀が力強く向かっていく様はたいそう感動的で、多くの子どもたちが見学に来るとか。ところが今その海岸の隣に野球場を建設する計画が立っており、夜間照明はせっかく孵化した子亀を陸へ誘導してしまうため繁殖地としては致命的ということで、たいそう心配していました。微力ながら、私も計画見直しに署名させて頂きました。


そしてその翌日。我が家のポストの中に一冊の楽譜がありました。春畑セロリさん作曲「ゼツメツキグシュノオト」。

近所に住む音楽仲間が、「戸張さんに使ってもらえたら、と某先生(共通の知り合い)から預かっていたものを投函しました」とのこと。連日の偶然にびっくりしながら楽譜を開くと、「リュウキュウコノハズク」「エゾナキウサギ」「ホッキョクグマ」など、絶滅危惧種の動物たちに寄せた短い曲が並んでいます。


いたいた、「アオウミガメ」もいました!アカウミガメの仲間でしょう。早速ピアノに向かってみると、とても響きが美しく、どれも可愛らしく生き生きとした曲です。彼らは、自分が絶滅危惧種であることなどは関係なく、ただ生きていることを楽しんでいる、ということが伝わってきます。


うちの小さい生徒さんたちがもう少し進んだら、発表会で一曲ずつ弾いても楽しいな。「アオウミガメ」を弾いてみながら、そんなことを考えつつ、遠い南の海を泳ぐウミガメに思いを馳せてみる師走です。


*サンクチュアリNPO(アカウミガメの保護に尽力されています)

https://www.sanctuarynpo.jp/baseball_ground_problem/


*春畑セロリ「ゼツメツキグシュノオト」

https://www.ongakunotomo.co.jp/web_content/zetumetukigushu/