浜松国際ピアノコンクール
11月初旬から行われていた浜松国際ピアノコンクールが先日終了しました。
参加者は第一次、第二次、第三次と3回の予選で絞られていき、最後の本選で入賞者が決まります。今は配信の体制が整っているので、オンラインで予選からずっと演奏を聴くことができます。私も時間のあいた時につまみ聴きしながら、コンクールの行程を追いかけていました。
参加している方たちは既になんらかのコンクールで入賞していたり、演奏活動を盛んに行なっているような猛者ばかり。上手くて当たり前、そこから先の、より深い表現、より人を惹きつける音楽、より人の心に届く音楽を目指してしのぎを削り、振るいにかけられながら本選へと向かいます。
そのような中で、何の曲を弾くのか、自分の持ち時間の中でどうプログラムを作るかも大きな課題です。自分の得意な部分を出せる曲、アピール度の高い曲、他の人との兼ね合い…いろいろなことを考えて選曲されるのだと思いますが、予選を重ねるごとに演奏時間が20分、40分…と増やされていき、まるでリサイタルを聴いているような充実した時間を過ごさせてくれるコンテスタントも少なくありません。
この浜松国際ピアノコンクールは1991年に始まった比較的新しいコンクールですが、今や世界的にも若手演奏家の登竜門の一つとなっています。市を挙げて協力して作り上げているコンクールでもあり、世界各地から来た参加者たちや審査員たちがインタビューで「とても温かく迎えてもらえて嬉しい」と口を揃えて言っていたのが印象的でした。
今回の第一位を制覇したのは鈴木愛美さん。
みんなで並ぶと意外なほど小柄なのに、そんなことは微塵も感じさせないおおらかで力強く、かつ繊細な音楽を持っている方です。全ての音が豊かな音楽に溢れているその演奏には私も聴き入ってしまいました。来場者の投票による聴衆賞も合わせて受賞の、納得の一位でした。
もちろん他の方々の演奏もそれぞれ素晴らしいものでした。
第4位の JJジュン・リ・ブイさんは、実は前回のショパンコンクール以来の私の密かな推しです!彼の自然体でかつ細やかな音が大好きなのですが、クライマックスに持っていく推進力も只者ではない!まだ若干20歳、これからをとても楽しみに応援しています。
来年もいろいろな国際コンクールが目白押し!
楽しみだけど、海外のコンクールは時差もあり、寝不足の日々が続いてしまいそうです。
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